三毛猫のオスは希少らしい、という話をなんとなく聞いたことがある人もいるかと思いますが、それではいったいなぜ数が少ないのでしょうか？
生まれる確率と、以前開催されたオークションでの取引き価格など、珍しいといわれる三毛猫のオスについてご紹介していきます。
珍しい理由は遺伝子異常だから
三毛猫の毛色は、白、黒、茶色の3つの色がランダムに配置されていますが、これは猫の染色体と関係があります。
本来、メス猫の性染色体は(XX)、オス猫の性染色体は(XY)と、それぞれ組み合わせが決まっていて、三毛猫が持つあの3色の毛を作るには２つの異なるX染色体が必要です。
前述した通り、メス猫の性染色体は(XX)なので3色の毛を作り出すことが可能ですが、一方オス猫にはX染色体は1つしかありません。
そのためオス猫で3色の毛を手に入れるには
- X染色体が2本以上ある「クラウンフェルター症候群(XXY)」
- モザイク遺伝子
- X染色体の不活性化
- 突然変異
- 2つの受精卵が合体し1つの個体となった「キメラ現象」
- 転座
などの遺伝子異常が必須になります。
生まれる確率は1/30000？！
そもそもこれらの遺伝子異常を持つことはとても稀なため、三毛猫のオスは存在そのものがとても珍しく、生まれる確率は1/3000もしくは1/30000だといわれています。
さらに遺伝子的異常をもつ三毛猫のオスは、生殖能力がなかったり、健康上の問題を抱えていることも多いため、より特別な存在として扱われるようになりました。
オークションでは3000万円で売られたことも？？
三毛猫のオスは、猫の愛好家やコレクターからも人気があり、三毛猫の年齢・健康状態・ブリーダーの信頼度などで多少変動するものの、およそ50〜100万円以上の値がつけられることもあるのだとか。
ちなみに真偽のほどは不明ですが、以前開催されたオークションでは、3000万円で取引きされていたとの噂もあるようです。
高額なのは純血種のみ
ここまで散々その希少性と高額な取引価格のお話をし、なかには野良の三毛猫でオス猫ドリームを考えた方もいらっしゃるかもしれませんが…
実は高値で取引きされているのは、純血種のオス猫のみです。
日本にいる野良猫、三毛猫はほぼ全てが雑種扱いになるため、基本的に値はつかないと思って良いでしょう。
さらに追記をすると、資格がなければ生き物を売買することもできません。
もしも三毛猫のオスをみつけた場合でも、他の猫と同様、家族の一員として大切にしてあげてくださいね。
おわりに
三毛猫のオスは、その希少性から高額で取引きされやすい反面、そもそも生き物を売り買いすることが倫理観に欠けると度々問題視されています。
そのため一部の国や地域では、三毛猫のオスの取引き規制に関する法律の制定が検討されているようです。
また、遺伝子異常の原因がクラウンフェルター症候群だった場合、短命になりやすいという点にも注意が必要です。
現在、遺伝子学者や生物学者のあいだでは、三毛猫のオスは大変興味深い研究の対象となっていて、将来的には三毛猫のオスを人工的に作り出すことが可能になるかもしれないといわれています。
もしこれが実現したら…？そんなに遠くない未来に、三毛猫のオスを取り巻く環境が大きく変化するかもしれません！
