生まれて間もない子猫が捨てられていた、親猫が育児放棄してしまった、または事故にあって子猫だけ残されてしまった…など。
様々な理由から、急に小さな子猫を保護することになることも。
以前に経験があれば良いけれど、初めて育てるという人がきっと大半ですよね。
生後0日〜1ヶ月までの子猫は、人間の赤ちゃんと同じく非常にデリケートな時期にあり、育て方やケアには特に注意が必要です。
無事に成猫まで育てあげるため、生後0日〜1ヶ月までの子猫の育て方について詳しく説明していきます。
保護してすぐにすること
子猫を拾ったら、まずは近くの動物病院で受診しましょう。
生後間もない子猫は免疫力が非常に低く、感染症にかかりやすいです。
また、野良猫の場合は母猫の病気がうつっている可能性もあるため、最初に猫白血病ウイルス(FeLV)や猫免疫不全ウイルス(FIV)の検査をしておくと良いでしょう。
その時に健康チェックと、ノミやダニ、もしくは回虫がいれば、その駆除も一緒にしてもらいます。
かかる費用は病院によってまちまちで、大体5000円〜15000円あたりが平均になります。
生後0日〜1ヶ月の子猫の変化
生後0日〜1ヶ月の子猫は、特に成長がめまぐるしく、あっという間に体の色々な部位が発達していきます。
しかし当然ながら自分のチカラだけで生きることは不可能なため、油断ができない時期でもあります。
生後0〜2日目
目はまだ閉じており、耳も聞こえません。
この段階では、ほとんどの行動が本能的で、母猫の体温や母乳が生存の鍵となります。
生後7〜10日目
徐々に目が開くようになり、外部の刺激に反応し始めますが、視覚はまだぼんやり程度。
また、このあたりから耳も聞こえはじめ、音に反応するようになります。
生後2〜3週間目
視覚や聴覚、足の筋肉が発達し、少しずつ歩けるように。
歯も生え始めるため、そろそろミルクの卒業を検討し、離乳食へとステップアップします。
生後4週間
視覚、聴覚、運動能力がさらに発達し、兄弟猫や人間との社会的な交流も増えてきます。
自分でトイレを使い始める時期でもあります。
食事編
生後0日〜1ヶ月の子猫にとって、本来は母乳が最も理想的な栄養源です。
しかし母猫がいない場合や母乳を与えられない状況のときは、代わりに市販の「子猫用ミルク」を用意しましょう。
子猫用ミルクには、成長に必要な栄養素(タンパク質、脂肪、ビタミン、ミネラル)がバランス良く含まれています。
牛乳は下痢や消化不良を引き起こす可能性があるため、絶対に与えないようにしてください。
与えかた
子猫専用の哺乳瓶を使って、数時間おきにミルクを飲ませます。
回数と量はご覧のとおり。
日齢 | 回数 | 量 |
生後0〜7日目 | 6〜8回 3〜4時間おき | 5〜10cc/1回 |
生後8〜14日目 | 4〜8回 4〜6時間おき | 5〜15cc/1回 |
生後15〜21日目 | 4〜6回 大体5〜6時間おき | 5cc〜欲しがるだけ/1回 |
生後22〜1ヶ月目 | 離乳食後 | 徐々に減らしていく |
ミルクは体温に近い温度(約38°C)で与えるようにし、冷たすぎたり熱すぎたりしないように注意してください。
ミルクを与えるときは、なるべく後頭部を支え、子猫が窒息しないようにうつ伏せのまま自然な体勢で飲ませます。
生後3〜4週間に突入し、歯が生え始めてきたら、離乳食、または子猫用のウェットフードへと移行していきましょう。
最初は舐めさせて慣れることから始め、ミルクと併用しつつ、体調などをみながら徐々に量を増やしていきます。
が、ここでひとつ、経験からの注意事項があります。
歯が生えている状態で哺乳瓶からミルクをあげると、ゴムの先を噛みちぎられることがありました。
誤飲に繋がりかねないため、この時期は念入りにゴムの劣化チェックを行うようにし、ミルクを飲んでいる間は子猫から目を離さないように気をつけてください。
温度調節編
生後0日〜1ヶ月の子猫は、まだ体温の調節機能が未発達で、自分の体温を維持することができません。
そのため、最初の1〜2週間は約30〜32°Cを保ち、その後25〜28°Cまで少しずつ下げていくのが理想的です。
温める時は、ペット用の電気ヒーターや湯たんぽを使い、直接子猫に触れないよう、毛布やタオルで包んでから設置しましょう。
また、涼しい場所と暖かい場所の両方を用意し、子猫が自分で過ごしやすいほうを選べるようにしておきます。
排泄編
生後0日〜1ヶ月の子猫は、自力で排尿や排便ができません。
通常、母猫が舌で子猫の腹部や肛門を舐めて刺激することで排泄を促しますが、母猫がいない場合には人間がその役割を果たす必要があります。
排泄させるときは、ぬるま湯で湿らせたコットンやガーゼを使い、優しく子猫の肛門をトントンと刺激します。
排尿・排便はミルクを与えた後に行うのが一般的ですが、ミルクの飲みが悪い場合は先に排泄を済ませてあげると飲んでくれることがあるため、臨機応変に対応していきましょう。
社会性を身につける時期
生後2週間以降は、子猫に社会性を身につけさせるとても重要な時期です。
この時期に他の猫や人間と触れ合うことで、社会的なスキル、たとえば噛んだり噛まれたりしながら痛みを知り、加減を覚えていきます。
母猫や兄弟がいる場合は、彼らと遊ぶことで自然と身についていきますが、母猫がいない場合は飼い主がその役目を果たさなくてはなりません。
しかしここで気をつけなければならないのが、絶対に手をおもちゃにしないこと。
子猫のうちならまだ何をされてもへっちゃらなので、つい手で遊んでしまいがちですが…
これを続けてしまうと「手=おもちゃ」という認識になり、成猫になってからも狙われる羽目になります。
なので必ず安全な猫用のおもちゃを使い、子猫の好奇心を満たしてあげながら運動能力や知能を育てていってあげてくださいね。
おわりに
生後0日〜1ヶ月の子猫を育てる際は、まず動物病院で健康チェックを行い、そして温度管理をしながら数時間おきにミルクと排泄のサポートをしていきます。
人間の赤ちゃんと同じく、油断が出来ないとても大変な時期ですが、子猫の成長のためにも頑張っていきましょう。